akieeのお楽しみ♪

Fortiesの日々をスマホ投稿。2018年からkiee piano blogに一本化しました。

ルウルウは小さなともだち

今週のお題「読書の秋」

コミックの話です。

私が20年以上、これだけはどうしても
手放せなかった愛蔵書が
小沢 真理 さんの 「ルウルウはちいさなともだち」
です。

1989年に講談社から第一刷発行、
別冊フレンドに掲載された作品で
コミックは四話構成の読み切りになっています。

元になっているのは、メアリー・ノートン作、
床下の小人たち
コミックの主人公はその小人たちの子孫。

というと、アリエッティ?と思われるかたが
多いかもしれませんが、その映画ができる
ずっと前に、床下で暮らす小さな小さな
女の子を主人公にしたお話があったのです。

その子の名はルウルウ
一族は現代では少なくなり、たった一人で、
仮暮らしをしています。
その家で、10歳の人間の少女りり子に
発見され、密かな友情を育んで行きます。

私が何より魅了されたのは、
細部に渡る、ルウルウの暮らす部屋の描写でした。

りり子の部屋のチェストの下、タイル4枚分の
床下に広がる世界…
キッチンには紅茶が入っていた木箱の調理台。
スライドすると中は食糧貯蔵庫。
マンゴーティーと書かれているから、甘いかおりが
してきそう。
水道と給湯のパイプにあけた小さな穴のコルク栓を
抜くと、お水もお湯も使えるから、隣りには、バスルームもある。
ベッドルームは藤かごベッドにパウダーパフの枕、
マッチ箱の引き出し、マロングラッセのカンの
クローゼット、
リビングの壁紙はハノンのエチュード

まだまだ書ききれません。
小沢真理さん自身もきっと、楽しんで描かれたのではないかな。

ルウルウがりり子の家にたどり着くきっかけと
なったのは、一年前に横浜の骨董店から届いた大きな古い柱時計。
それにのって運ばれてきてしまったルウルウ。

仲間を探すために、りり子の助けを借りて横浜を
目指します。

そこで、りり子とはぐれてしまい二人の物語は
ここで終わりますが、そのあとも、人と出会い、
心暖まる冒険を続けていきます。

大人になった、りり子の回想から始まる物語。
また、出会えるかもしれない…そんな余韻を
残す素敵なお話です。

紹介させてもらおうと、調べ始めて
びっくりしてしまったのですが、
絶版の可能性はあるとは思っていたものの、
なんと、中古で9000円前後もします。
定価380円だったのに。

私のように、この話が忘れられずに
持ち続けている人もいれば、探している人も
いるようで、数々のブログにも取り上げられています。

価値はあがったけれど、私はずっと傍に
置いておくつもりです。ルウルウはちいさなともだち